※本投稿はクライアントの許可を得たうえで、特定されぬよう具体名等を変えた上で投稿しています。
CFOが法務??
CFO業務の依頼を受けているクライアントの一つより、コピー商品を販売している企業に対し法的行動が取れるかどうか、という相談を受けました。
CFOが法務?と思われるかもしれませんが、中小企業、ベンチャー企業においては社長かCFOしか適任者はいませんし、社長は法的業務に不慣れな方がほとんどです。そのため必然的に私がお手伝いすることになりました。
コピー商品を見つけた!
さて、今回の依頼はドラッグストアに卸している商品のコピー品が見つかったため販売をやめさせたいという事から始まりました。
その商品は腹痛によく効く特徴的な黄色いラベルの商品、と仮定します。(ラッパのマークではないです、念のため)
そのコピー商品を販売している会社を調べると、その会社の親会社は元々私のクライアントの得意先。しかもそのまた親会社は上場会社です。節操がないですね。
それなりに収益が上がっている事を知った上で子会社を作りコピー品を製造、販売している事がわかりました。
成分は全く同一、外見もほぼ同じ。しかも価格はクライアントの売価より30%ほど安く売られています。
これは許しがたい、という事で社長、私、営業部長と緊急会議を開き、基本的な方針(攻め方、守り方、ゴール)を検討した上で私が以前から情報交換していた知財に強く、実際に知財関係で裁判経験も豊富な弁護士事務所を紹介し法的手続きを取ることに決めました。
これを機に取引基本契約書や人事面など、ほぼネットのテンプレートに頼っていた法務面をメンテナンスしようという事となり、この弁護士事務所と顧問契約を結びました。
どんな手段が取れるのか?
不正競争防止法違反で販売差し止め請求をすることとしました。
不正競争防止法違反に問うには商品の周知性がキーになるとのことで、クライアントの得意先に事情を話し、当該商品が掲載されたチラシ等を手配し、そのチラシが何万部配られたかをもとに周知性をアピールします。
また、そのコピー商品を扱う会社は、以前から同一成分で赤いラベルの商品を作っておりながら、今回はわざわざ特徴的な黄色いラベルを新たに作ってきた事は明らかにクライアント商品に寄せている行為であり、コピーするという悪意を持っていることは明らかでした。
そこでこちらとしては
- 書面到着後2日以内にコピー商品の販売をやめ、店頭から回収すること
- コピー商品の売り上げ金額、数量、原価、仕入れ先を開示すること
- 不当に安く販売されたことによりこちらが被った正規価格で販売する機会を奪われたことを金銭的に補償すること
以上を求めることとし、即日書面にしていただき先方へ内容証明郵便で提出しました。
これから
他の投稿で以前から述べているように、CFOとはファイナンス=財務の経営陣という事ですが中小、ベンチャー企業ではそれ以上の役割を担うことが多いく、むしろCEOとCOOの領域以外は全てCFOの領域といって過言ではありません。
実際、M&AやIPO、業務提携等で弁護士と仕事をする機会は多く、その方面から新しい仕事や新規事業の紹介をいただくことも多いためCFOとして情報交換は欠かせません。
中途半端になってしまいましたが、ひとまずこの案件については現在進行形ですのでクライアントの了解を得たうえで、(おそらく全てが片付いた後ですが)追ってご報告します。